大人になってから、あの頃の体験がどれだけ特別だったかを改めて感じるようになりました。
自分らしくいられて、誰かに受けとめてもらえて、何かに夢中になれた時間。
その記憶が、自分の価値観の土台になっていて、気づけばずっと青少年教育に関わり続けてきました。
ただ、そんな時間が、今の子どもたちにとって当たり前ではなくなってきているとも感じています。
自分がかつてそうだったように、そういう場が誰かのためにあってほしい。
そんな思いから、この団体を立ち上げました。
その想いの原点には、私自身の体験があります。
“子ども会”に5歳の頃から加入し、中学生からはジュニアリーダーという立場(学生ボランティア)で参加していたことから、その場でたくさんの体験をさせてもらいました。
そこで、自分は誰かに必要とされ、自分のままで輝けた感覚を何度も味わいました。
思えば、その経験が今の自分の価値観や行動の根っこになっています。
だからこそ、次は自分が「誰かに渡す番」。
自分の人生で“人に残せるもの”は、この場所をつくることだと感じました。
そんな想いを抱きながら、今の社会に目を向けると、“体験格差”という課題もあります。
どこで生まれ、どんな環境で育つかによって、出会える大人や体験の機会には差がある。
私たちにできることは限られているけれど、それでも、ほんの少しの“きっかけ”を届けられるならと思っています。
キャンプファイヤーのような非日常の体験は、ただ特別なだけでなく、子どもたちが自然体でいられる空気をつくってくれます。
その空気こそが、子どもたちにとって、何よりの“体験”になると信じています。
私たちは、そんな時間を、一つひとつ丁寧に届けていきたいと思っています。
もしよければ、あなた自身の子ども時代にも少しだけ目を向けてみてください。
夢中になって取り組んだこと。誰かに認められたこと。あのときの空気や感情。
私たちが取り組んでいるのは、そんな「記憶になる体験」を子どもたちに手渡していく活動です。
そして、子どもたちだけでなく、そこに関わる大人たちも、もう一度自分らしく輝ける場を一緒につくっていきたいと思っています。
どんな出会いが、どんなきっかけが、誰かの未来を変えるのか、誰にもわかりません。
けれど、この活動が“誰かにとっての大きな出会い” “誰かにとっての大きなきっかけ”になることを信じて、これからも続けていきます。
NPO法人キャンプファイヤー屋
代表理事 高久洵一